初代BC・BF型(1989年2月-1993年10月)のエンジン
レガシィは実質的にはレオーネのフルモデルチェンジです。
エンジンは新開発の水冷水平対向4気筒エンジン「EJ」型を搭載。エンジン構成部品に「EA」型との共通性はないが、「EJ20」のボアが92.0mmと「EA81」、「EA82」と同一であり、その血縁を感じさせる部分である。
「EJ18S」(1,820cc・OHC):110ps/6,000rpm・15.2kg-m/3,200rpm
「EJ20D」(1,994cc・DOHC):150ps/6,800rpm・17.5kg-m/5,200rpm
「EJ20G」(1,994cc・DOHC・ターボ):220ps/6,400rpm・27.5kg-m/4,000rpm
「EJ20」のシリンダー・ブロック、シリンダー・ヘッドは「EA」型と同じく総アルミ合金製で、BC/BF型レガシィを通じて、クローズドデッキのシリンダーブロックの形式が守られた。
ペントルーフ型燃焼室、センタープラグ配置、クロスフロー方式を採用。「EA」型エンジンのサイドプラグ配置、カウンターフロー方式より燃焼効率は向上。高出力化に対応しやすくなった。
「EJ20D」、「EJ20G」は7,500rpmと、当時の国産車では異例に高いレブリミットが特徴で、3タイプともトップクラスのスペックと動力性能の引き換えに、登場後長く「EJ」型エンジンのウイークポイントとされた「燃費の悪さ」が指摘された。
この批判に対し、BC/BF型ではECUの演算能力の向上や度重なるプログラム変更、2.0?OHCエンジンの追加などで対応した。
「EJ20G」は発売当初、「レオーネRX」に代わるスポーツグレード「RS」に、5速マニュアルトランスミッションとの組み合わせのみで設定された。
「EJ20G」は「EJ20D」の圧縮比を9.7から8.5に下げ、石川島播磨重工業製ターボチャージャー、水冷式インタークーラーを装着、当時の2?最強の220ps/6400rpmという圧倒的なスペックを誇った。
この「EJ20G」にカムプロファイル変更や小径ターボの装着など、オートマチックトランスミッションとのマッチングや、より実用域での扱いやすさを重視したセッティングを施し1989年10月、「GT」に搭載。
1990年から今日まで続く富士重工業のWRC用エンジンとしても、常にトップクラスのパフォーマンスを維持し、現在の富士重工業のスポーツイメージの代名詞となっている。
2代目BD・BG型(1993年10月-1998年6月)のエンジン
レガシィの「最強ステーションワゴン」としての座を不動のものにした、BC/BF型に搭載された水平対向4気筒DOHCターボエンジン「EJ20G」は、シーケンシャル・ツインターボ採用の「2ステージ・ツインターボ」「EJ20H」へ進化。
バルブ作動システムをHLAダイレクト・プッシュ式に変更しフリクションを低減。「2ステージ・ツインターボ」は、低回転域ではプライマリー・タービンのみで過給、高回転域で予め過給したセカンダリー・タービンも連続して(=Sequential)合わせて働くもので、A/R比はBC型「RS」の20に対し、低回転域:12、高回転域:24に設定し、高出力化と全回転域でのレスポンス・アップを狙った。
タービンはプライマリー・セカンダリーともにIHI・RHF4Bである。
その他、全車のエンジン補機類にもパワーステアリング容量の増大など実質的な細かい改良が積み重ねられ、富士重工業にとって最大のセイリング・バリューである2.0?ターボばかりでなく、「EJ20D」、「EJ20E」、「Ej22E」にも「4ブランチY型等長エグゾースト」の採用による静粛性、燃費の改善が図られるなど、2.0?クラスのセダンとして、世界的に見ても総合力の高い商品に仕上がっていたことも特筆されるべきポイントである。
「EJ20H」(1,994cc・DOHC・2ステージ・ツインターボ):250ps/6,500rpm、31.5kg-m/5,000rpm
「EJ20D」(1,994cc・DOHC):150ps/6,400rpm、18.5kg-m/4,800rpm
「EJ20E」(1,994cc・OHC):125ps/5,500rpm、17.5kg-m/4,500rpm
「EJ22E」(2,212cc・OHC):135ps/5,500rpm、19.0kg-m/4,000rpm
「EJ25D」(2,457cc・DOHC):160ps/6,000rpm、21.5kg-m/2,800rpm
「EJ20R」(1,994cc・DOHC・2ステージ・ツインターボ・MT用[9]):280ps/6,500rpm、34.5kg-m/5,000rpm
「EJ20H」(1,994cc・DOHC・2ステージ・ツインターボ・AT用):260ps/6,500rpm、32.5kg-m/5,000rpm
「EJ20D」(1,994cc・DOHC):155ps/6,400rpm、19.0kg-m/4,800rpm
「EJ25D」(2,457cc・DOHC):175ps/6,000rpm、23.5kg-m/3,800rpm
「EJ20E」(1,994cc・OHC):135ps/5,600rpm、18.5kg-m/4,000rpm
「EJ20N」(1,994cc・OHC・リーンバーン):125ps/5,600rpm、18.0kg-m/4,400rpm
「EJ18J」(1,820cc・OHC):120ps/5,600rpm、16.7kg-m/3,600rpm
3代目BE・BH型(1998年6月-2003年5月)のエンジン
BD/BG型に引き続き、EJ20型エンジンを搭載するが通称を「BOXER MASTER4」から「BOXER PHASE II」に変更。なおこのモデル以降1800ccエンジンである「EJ18」は搭載されていない。
ターボモデルでも「2ステージツインターボ」を採用。BD/BG型より引き続き「トルクの谷間」が付きまとっていたが、エンジンの熟成と斜流タービンの改良を重ねる事により、Dタイプ年改の頃にはほとんど意識しないレベルにまで熟成されている。
発表当初の構成は実にシンプルで、2リッターSOHCエンジン、2リッターDOHCエンジンの「EJ20型」にこれのツインターボ版、2.5リッターDOHCエンジン「EJ25型」の計4種類のみ。
その後、ランカスター6で搭載されたEZ30が追加され、計5種類となった。ちなみに、EZ30型エンジンを搭載したB4の「RS30」は富士重工としては初の「大排気量セダン」となった。
また、Dタイプ年改モデル中に登場した「S401 STi Version」はSTIがB4のターボモデルであるRSKにチューニングを施したコンプリートカーであり、エンジンは職人によるハンドメイドによるバランス取りなど専用チューンを施され、293ps/6400rpm,35.0kgm/4400~5600rpmというスペックを誇った。
4代目BL・BP型(2003年5月-)のエンジン
ターボエンジンが2ステージツインターボから初代以来のシングルターボに切り替わったのが大きなトピックである。
ただし初代とは異なりツインスクロールターボを採用しており、低速トルクを十分に確保されているのは、グランドツーリングカーとしてのレガシィのキャラクターを鑑みての事だと言えよう。
高回転型である水平対向エンジンとしては異例の、わずか2000rpmから最大トルクが発生する。これにより実用度は一気に向上したが、従来からのファンからは「まわしても面白くないエンジン」と言われるようになる。
実際トルク曲線を見ると4800回転以降、トルクカーブは徐々に下がって行くようなエンジン特性となっている。なお最大出力は6000回転前後で発生する。
インプレッサWRX STI同様の「等長・等爆エキゾースト」が採用されたことも大きなニュースである。これによって排気音が澄んだ音となり、スバル水平対向エンジン伝統の「ドコドコ」という排気干渉音がなりを潜めて、より洗練された排気音を奏でる様になった。
またドライブ・バイ・ワイヤ機構「エレクトロニック・スロットル・チャンバー」を採用、全車電子制御式スロットル仕様となった。これらにより以前からのEJ20型エンジンも圧倒的パワーに加えスムーズさをも兼ね備える洗練されたエンジンとなった。